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糖尿病


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糖尿病

(1)はじめに
糖尿病は、発症すると血糖値が高い状態が続き、様々な病気のリスクとなる病気です。当院では患者さんの気持ちに寄り添い、最も適した治療プランを組み立てて、最新の知見に基づいた医療を続けられるように努力しております。
(2)病気の解説
紀元前1550年ごろ、エジプトのナイル川流域の遺跡で発見された古文書に糖尿病の記載があります。日本においては、平安時代に摂政関白として権力と富を手にした藤原道真ですが、この人物の伝記に生活ぶり、病気の事が細かく書いており、その記述から藤原道真は糖尿病であったと考えられています。このように、糖尿病は古来から身近な病気です。

糖尿病は長い時間、血液中の糖の濃度(血糖値といいます)が高い状態で数年~十数年続くことで全身の血管をはじめとして全身の臓器にダメージが蓄積し、様々な合併症を起こす病気です。糖尿病があると目や腎臓、神経、心臓、脳、感染症、手足の壊疽、歯、骨、癌、認知機能など様々な病気にかかりやすいことがわかっています。

なぜ、糖尿病になってしまうのでしょうか。そのカギはインスリンというホルモンにあります。インスリンは、膵臓から分泌されるホルモンです。インスリンの働きにより血液中のブドウ糖を筋肉や肝臓の細胞にとりこみ、血糖値が低下させます。糖尿病はインスリンが不足したり、体質によりインスリンが十分に効かなくなり、血糖値が下がりづらい状態となったため発症します。加齢や健康には良くない生活習慣(カロリー過多や運動量の減少)によりインスリンの分泌される量が低下したり、インスリンが効きづらい状態となります。
(3)症状
著しく血糖値が高くなるとのどの渇きや尿の回数が多い、体重が減るなどの症状が出ます。そのほかにも合併症が進むと手足のしびれ、目のかすみが出ることがあります。症状はほとんどないか、軽いことが多く発見が遅れることも少なくありません。
(4)1型糖尿病と2型糖尿病
糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があり、2型糖尿病が90%程度と大部分を占めています。
1型糖尿病は小児~思春期に多く発症し、日本では1万人あたり約2人程度です。免疫の異常などでインスリンを作る膵臓の細胞が破壊され、数週~数か月でのどが渇く、尿の回数が異常に増える、体重が減るなどの症状が急に出てきます。インスリンを作る膵臓の細胞が破壊されてしまうため、自分の体ではインスリンが作れなくなり、早期からインスリン注射による治療が継続して必要になります。1型糖尿病の中には中高年に発症される方や、初めは2型糖尿病と診断されていた患者さんが1型糖尿病の自己抗体が陽性となり1型糖尿病と診断される方もいます。

日本では約950万人が2型糖尿病といわれており、40歳以上の約10人に1人に当たります。運動不足や肥満、食生活などの影響でインスリンが効きづらい、血糖値が下がりづらい体質が数年から10年ほど続きます。やがて加齢や遺伝などでインスリン分泌もが減少し、健康診断などで糖尿病と診断されます。なかにはのどの渇き、体重の減少などの症状や心臓、脳、目などの合併症をきっかけに糖尿病が発覚することもあります。
(5)診断のしかた
糖尿病は血糖値やHbA1c(1~2か月の血糖値の指標)、必要な場合はOGTTという検査を行い診断します。
  1. 早朝空腹時血糖値126mg/dl以上
  2. 随時血糖値200mg/dl以上
  3. 75gOGTTで2時間値200mg/dl以上
  4. HbA1c6.5%以上
1~4の検査を組み合わせて糖尿病と診断します。
1型糖尿病は上記に加え、抗GAD抗体などの自己抗体検査を参考に診断します。そのほかの原因(病気や薬など)で糖尿病を発症することがありますので、当院では正確な診断、治療につながるように努めています。
(6)治療のしかた
1型糖尿病の治療はインスリン療法が中心になります。患者さんの生活に合わせていくつかのインスリンを組み合わせて使用します。食事ができない時や運動、病気の時などの対応についてもあらかじめ主治医と打ち合わせることが重要です。最近では、24時間血糖値をモニターできる機器も開発されていますので、主治医に相談して下さい。

2型糖尿病では食事療法と運動療法で生活習慣の改善を行いインスリンが効きやすく、血糖値が下がりやすくすることが基本です。薬物療法によりインスリンが効きづらい体質をよくする薬剤や、膵臓からのインスリンの量を増やす薬剤を中心に治療します。患者さん一人一人に合った治療方法を、患者さんの生活環境などを伺いながら一緒に考えます。
(7)この病気と思ったら
当院では、月曜日~金曜日まで糖尿病の外来診療を行っております。お気軽にご相談ください。