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トップページ >  診療科・部門 >  特殊治療 >  高気圧酸素治療

高気圧酸素治療


浜松北病院の高気圧酸素治療の特徴

高気圧酸素治療は全国でみても行っている病院は多くなく、静岡県内では数えるほどしかありません。そんな中でも、浜松北病院では開院当初の昭和58年より、静岡県西部地方において先駆けて高気圧酸素治療の導入を行い、様々な疾患に対して積極的な治療を行い、地域医療に貢献してきました。
近年では、スポーツ外傷に対する高気圧酸素治療もスポーツチームなどの団体、個人を問わず積極的に行っております。
また、浜松北病院には、日本高気圧環境・潜水医学会認定の専門医、専門技師が常勤しており、学会の認定施設として登録され、より安全で効果的な治療が行えるよう心掛けております。

高気圧酸素治療とは

高気圧酸素治療とは、普段生活している環境下1ATA(絶対気圧)の倍の2ATA以上(当院では2ATA)に気圧を高くした装置の中で、100%に近い高濃度の酸素を吸って様々な病気・病態を改善する治療法です。高気圧酸素治療には、以下のような代表的な効果があります。
  1. 高い気圧の中で酸素を吸うことにより、酸素が血液内に直接溶解(溶解型酸素)するため、低酸素状態の組織や全身に多くの酸素が供給され、様々な病態を改善します。
  2. 体内のガスの容積を圧縮、再溶解することにより、浮腫が軽減されるなどして病態を改善します。
  3. 酸素により特定の細菌を抑制します。
※適応となる疾患につきましては、当ページ下部の「高気圧酸素治療の保険適応の疾患」を参照してください。
 

治療回数

治療回数は疾患によって異なります。治療の効果を判定しながら治療回数を決定していきます。

浜松北病院の高気圧酸素治療の実際

  1. 事前検査や医師の診察、説明などを受けていただき、高気圧酸素治療の実施が決定しましたら、高気圧酸素治療室のスタッフから、治療を行うにあたっての注意事項などを説明させていただきます。
  2. 治療時間が約1時間30分と長くなりますので、トイレを済ませていただきます。
  3. 高気圧酸素治療専用の治療衣に着替えていただきます。その後、治療の安全の確保のために所持品等の確認及び血圧・体温測定等をさせていただきます。
  4. 高気圧酸素治療室にて、再度所持品等の確認をさせていただきます。
  5. ストレッチャーに横になっていただき、装置内に入ります。
  6. 静電気に関する障害を予防するため、アースを治療衣及びストレッチャーに取付けて、扉を閉めます。
  7. 普段生活している地表の1ATA(絶対気圧)から、約15分かけて2ATAまで酸素で加圧します。
    この時、トンネルに入ったときや飛行機に乗ったときのように耳がボーンとつまったような感じになります。この状態を放置しておくと耳が痛くなってしまいます。これを予防するために、加圧中はつばを飲み込む・大きなあくびをするなどして、耳抜きという行為を行っていただきます。
  8. 2ATAの状態で1時間過ごしていただきます。治療中は音楽やラジオを聴くこともできます。多少の音楽はご用意しておりますが、ご希望の音楽などがございましたらCDをご持参ください。
  9. 約15分かけて装置外と同じ1ATAまで徐々に減圧します。
  10. 装置から出て体に異常がないか確認し、治療は終了です。

※治療中は常に外部と話をすることができます。
また、気圧性の中耳炎など高気圧酸素治療の副作用が発生しないように、細心の注意を払い、患者様の状態を確認しながら治療を行います。

高気圧酸素治療の適応疾患

  • 減圧症又は空気塞栓
  • 急性一酸化炭素中毒その他のガス中毒(間歇型を含む)
  • 重症軟部組織感染症(ガス壊疽、壊死性筋膜炎)又は頭蓋内膿瘍
  • 急性末梢血管障害
    ・重症の熱傷又は凍傷
    ・広汎挫傷又は中等度以上の血管断裂を伴う末梢血管障害
    ・コンパートメント症候群又は圧挫症候群
  • 脳梗塞
  • 重症頭部外傷後若しくは開頭術後の意識障害又は脳浮腫
  • 重症の低酸素脳症
  • 腸閉塞
  • 網膜動脈閉塞症
  • 突発性難聴
  • 放射線又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍
  • 難治性潰瘍を伴う末梢循環障害
  • 皮膚移植
  • 脊髄神経疾患
  • 骨髄炎又は放射線障害
スポーツ外傷に対する高気圧酸素治療は、保険適応外となり自費での治療となります。別途治療費を定めておりますので詳しくはお問い合わせください。
浜松北病院 高気圧酸素治療室 電話:053-435-1111(代表)

※浜松北病院では、減圧症の治療に用いるべきとされている治療プログラムでの減圧症治療を行うことができません。
また、高気圧酸素治療の禁忌である場合や、当院での治療が危険と判断された場合など、治療を行うことができない場合があります。